幽門(ゆうもん)[KI21]

幽門ゆうもんKI21

  • 足の少陰腎経

効能

嘔吐、胃の激痛、健忘症に有効です。

腹痛
腹脹
下痢
その他:消化不良、嘔吐、妊娠悪阻など

取り方

巨闕(任脈)の外方5分に取る。

部位

上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方5分。

成り立ち

幽門の幽は、「隠れ、潜むこと、深いこと」を指す。幽門は、七衝門の一つ。「七衝門」とは、消化器系のうちの7ヶ所の重要な門、飛(唇)、戸門(歯)、吸門(会厭)、賁門(噴門、胃の上口)、門(胃の下口)、闌門(小腸から大腸への移行部)、魄門(肝門)を指す。経穴の幽門は心嵩部(みぞおち)にあり、腎気が胃と胸郭の間の深い谷間から出てくる部位にある経穴と理解されている。現代の解剖学で胃の出口は「幽門」と呼ばれるが、古くは西暦前に記された『難経』の中でも胃の出口を「幽門」と呼んでおり、古代中国の解剖用語が西洋医学の訳語に採用された一例である。とはいえ、あくまで幽門穴と解剖学の幽門とは別であり、正常では幽門穴は噴門に近い。