神経性胃痛、急性胃炎等の陽証から、胃アトニー、胃拡張症、食欲不振等の陰証の場合のいずれにもよく効く。50歳になる婦人で永年、胃下垂、胃弱で悩み、やせ細っていたが梁門、中脘に約3cm毎日刺鍼してから急に胃の働きが良くなり、1週間ぐらいで別人のようになり2ヶ月くらいまでまるまる太って丈夫になった例がある。神経性胃痛(胃痙攣)には寸6の鍼を置鍼するのもよく効く。施灸の場合は壮数を多くすることによって鎮痛効果がある。中脘穴とともに上腹部の代表穴である。腸や肛門のやまいでも上腹部ではこの梁門を取ることがよい配穴である。されに、肝臓や胆嚢等の病にも非常に効果がある。
嘔吐
胃痛
食欲不振
その他:便の異常など
天枢の上方4寸、中脘(任脈)の外方2寸、腹直筋中に取る。
上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方2寸。
梁門の梁(はり)とは、「柱と柱の上に水平にわたす横木」のこと。梁をかけた門柱のように緊張している「腹直筋」を指しているといわれる。または、心窩部から臍(へそ)にかけての緊張を東洋医学では「伏梁(ふくりょう)」と呼ぶが、これを治す経穴の意味。