主症状が非常に多く、万病に有効です。
1.消化器病一般に有効です。胃腸、肝、胆、膵の病。
2.足の病、脚気、神経痛、半身不随。
3.呼吸器病、心臓病等には消化機能を調え、栄養を良くするために使用する。まずは半米粒の灸1壮、弾入程度の刺鍼から開始するのが良い。弱い刺激から始めないと、突然高熱を発したり、症状が悪化することがしばしばあるため。古典で言う血虚、気虚の症はきわめて用心深く行い、焦ってはいけない。
4.神経衰弱、ヒステリー、精神錯乱に効果的。神経衰弱程度の者は脾胃の虚で食欲が減退し、植物の摂取量も少量であるが、狂になってくると非常に食欲が旺盛になり動物的になる。多少腐敗したものを食しても胃腸を壊さないのが普通である。このようなものに胃腸を整える施術をすれば多くの場合効果があり、何ヶ月かのうち下痢・その他の胃腸障害を起こるようであれば治療の前兆であるとおもって間違いない。足三里、脾兪、胃兪、肝兪等もその証に応じて必ずはいけつしなければならない。
5.蓄膿症、鼻炎、遊郭異常等の鼻の病に効く。陽明胃経は鼻に起こる関係からである。大腸経も鼻に終わっており、鼻は呼吸器の最初の入口である。
6.脳卒中、半身不随等は手足の陽側に麻痺がくるものであるから、風市、伏兎とか足三里または陽陵泉等とともに非常によく使われる穴である。脚気にもよく効く。腓骨神経痛や坐骨神経痛、膝関節、足関節の痛み、リウマチ等にも有効です。
7.返し鍼に足三里はよく用いられ効果がある。刺激量過多で脳貧血を起こした場合置鍼が有効です。上半身の場合は曲池・合谷でも良い。のぼせの人にのぼせ引き下げとして効果がある。
8.足三里は無病長寿の灸として古くから使用されてきました。常に足三里に灸を行っていたという三河の国の百姓 万平は、天保15年に242歳、その子と孫夫婦がいずれも100歳以上で3夫婦そろって江戸永代橋の渡りそめをしたという記録があるほど有名である。また松尾芭蕉も旅するには必ず足三里に灸をして出たという記録も「奥の細道」にある。
9.足三里は胃土経の土穴であって、胃経自体に病のあるときに補うほか、肺金経を補う場合にも母の経として、土経の土穴すなわち主治穴として取穴される。しかし三里は、補法の目的で多く用いられ、肝木の虚や腎水の虚のときに刺絡としては用いない傾向がある。
胃痛
嘔吐
食欲不振
その他:のぼせ、精神疾患など
犢鼻の下方3寸で腓骨頭の直下と脛骨粗面下端との中間、前脛骨筋中に取る。
下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸。
足三里とは、犢鼻の下三寸にある経穴の意 (一里=一寸)。また、腹部の上、中、下の三部の諸症をまとめて治療できる経穴という説もある。